銀行融資(信用創造)の姿勢が国の経済を操っている
銀行の融資姿勢と国の経済・景気の間には直接的な関係がある。
言い換えると、銀行はバブルを作ることも、バブルを弾けさせることもできる。
例えば、不動産を買うときに、手持ちのキャッシュで購入する人はごくわずか。
たいていの場合は、銀行の融資を利用して不動産を購入する。
(これは、一般庶民も、富裕層も一緒。)
ということは、
不動産が買えるかどうか、それは
購入する人の考えや財力と言うよりも、
銀行の融資姿勢にかかっている、というわけ。
銀行が積極的に融資をすれば不動産を買える人が増え、不動産の価格は上昇、
結果的に不動産バブルの到来。
逆に、融資が厳しくなれば、不動産を買える人が減り、必然的に不動産価格は下落。
銀行融資のサジ加減ひとつで、バブルは作ることも、弾けさせることも
いとも簡単にできてしまう。
実際に、1980年代~90年代の日本の経済バブルは日本の銀行によって作られた
ということが学べるのが、この本。
- 作者: リチャード A ヴェルナー,吉田利子
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2001/05/08
- メディア: 単行本
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ずばり、こんなことが書かれている。
日銀のスタッフは表向きはバブルを批判していたが、実は銀行が過剰な融資によって煽るよう仕向けていた。窓口指導が信用の伸びの総額と投機家への配分を決めていた。驚くべきことだが、これが結論である。日本銀行は承知のうえで1980年代のバブルを生成させた。(P30~31)
バブルも、バブル崩壊も、銀行の融資姿勢次第でいか様にもなる。
これは、過去の歴史に基づいた、否定しようのない事実。
まずは、この事実を知ることが重要・・・
さて、過去の話はここまで。
いまはどうか?
将来はどうか?
2013年4月に、日銀はマネタリーベースを年間60~70兆円増やすと宣言した。
参考:「量的・質的金融緩和」とはどのようなものですか? :日本銀行
これは日銀が「どんどんお金を融資しますよ」と言っているのと同じ。
ちなみに、東京オリンピックの経済効果は3兆円程度。
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/urgency/report130927.pdf
オリンピックの効果がかすんでしまうほどの規模。
日本の歴史上、こんな規模での金融緩和は前代未聞。
これはもう、、、
日銀が「意図的にバブルを起こします!」と言っているのに近しいのではないか・・・
そして、いつまでも融資姿勢を緩くしておくわけにはいかないので、
どこかのタイミングで融資姿勢を厳しくすることになる。
そのときは、バブル崩壊・・・
この国の経済を動かしているのは
政治家ではなく
企業ではなく
国民ではなく
日本銀行。
日本銀行の動向をしっかりウォッチしておきたい。
kasousekai-seishinsekai.hatenablog.jp