伯楽に学ぶ、不動産投資における最初の物件の選び方
最初の物件を探すときの考え方
不動産投資を始めるにあたり、
最初の物件は、どんなのを買えばいいのだろうか
という疑問を持たれる方は、非常に多いかと思う。
斯くいう私もそうだった。
不動産投資に関する本を読めど、
- 地方の一棟アパートが良いと書いてある本もあれば、
- 戸建賃貸が良いと書いてある本もあれば、
- 都内の中古区分マンションが良いと書いてある本もある。
これでは、全くもって判断しかねるわけである。
そんなときに、ふと思い出したのが、
韓非子・伯楽の言葉。
愛する所には駑馬を相するを教う
優れた馬を見分ける名人伯楽は、
愛する者には駑馬(劣った馬・ノロい馬)の鑑定法を教え、
愛さない者(憎んでいる者)には名馬(駿馬)の鑑定法を教えたという。
滅多にいない駿馬の鑑定法より、駑馬の鑑定法の方が役に立つの意。
これを不動産投資に置き換えて考えると、
- いい物件の見分け方
よりも
- ダメ物件の見分け方
の方が価値がある、ということになる。
つまり、
『取り返しのつかないようなダメ物件さえ選ばなければ、あとは何とかなる。』
『それなら、ダメ物件とは如何なるものか、それを調べよう。』
という考え方に切り替わったのである。
具体的に『ダメ物件』とはどれなのか?
そこで、私の周りにいた不動産投資家の皆さんに、買ってはいけない物件について、聞いて回った。
すると、現役大家の先輩方は口をそろえて同じことをおっしゃった。
「区分はやめとけ。後で足かせにしかならないよ。」
区分マンションは資産性が乏しいため、これを保有しているとバランスシートでいう「債務超過」状態に陥る。すると、2戸、3戸は買えるかもしれないが、あるタイミングから買い進められなくなってしまうのだ。
特に、区分マンションを既にいくつか持っていて、いよいよ一棟モノを購入しようとしたときに、
「いま保有している区分マンションを売却してくれれば、融資しますよ。」
という銀行もあるようだ。銀行としては、債務超過状態が解消されれば融資する、というのは正しい判断ともいえる。
これで、不動産投資の方向性が決まるわけだ。
区分はやらない = 一棟アパートを買う
私はこうした経緯で、最初から一棟アパートを所有することに決めたのである。
もちろん、今後不動産投資を始めようと思っている人に対しても、私は1棟モノ物件の購入を強く勧める。