事業投資の"本当の"利回りとフランチャイズ
事業投資における利回り
投資において必ず出てくる指標が「利回り」。
投下した元本のうち、一年間で回収できる利益の割合を表したものである。
例えば、1,000万円を投入して、1年間に100万円のリターンがあるなら、利回りは10%となる。
当然ながら、利回りは高い方が良い。
ただし、事業投資に関しては、表面的な利回りだけでは、判断には全くもって不十分である。
事業は、そもそも継続できるかどうか、という非常に大きな課題がある。
表面的な利回りは、「事業が継続できた場合」という前提に基づいた数値である。
そして、一般的に、事業が存続する割合は、決して高くないのである。
つまり、表面的な利回りに、事業の生存率を掛けた値を、本来の事業投資利回りとして考えなくてはならない。
「事業生存率」が加味されていない利回りは、「企業が潰れない」という、絶対にありえない前提をもとにした「架空の利回り」なのである。
思いのほか低い「事業生存率」
事業生存率とは、開業後に企業が存続する確率を表す。
例えば「5年生存率」というのは、企業が開業後5年後に事業を継続している確率(実績値)のこと。
実際の事業生存率がどれほどかというと・・・
- 5年生存率:15~20%
- 10年生存率:5%程度
これほどまでに低いのだ。
※参考:企業生存率のウソ?ホント?
ストラテジックプロフィッツ | リッチ・シェフレン日本公式サイト
事業生存率を加味した期待利回り
それでは、事業生存率を加味した「期待利回り」を計算してみ対と思う。
計算式は、
となる。
そんな案件は本来はあってはならないのだが、世の中には山ほど存在する。法律やコンプライアンスを遵守していないので、指摘が入ることもあるが、そんなことはお構いなし。
なぜなら、指摘されたら逃げるだけだから。最初から逃げることを前提に組み立てられている案件というわけだ。
となると、当然ながら事業生存率は0%。仮に表面的な利回りが50%と魅力的に見える案件であっても、期待利回りは、
50% × 0% = 0%
となる。
法律・コンプライアンスを順守しているかどうか判断できない場合も、手を出すべきではない。探せばもっとまともな案件はある。
仮に法律とコンプライアンスの面をクリアしている案件であったとしても、一般的な事業の生存率は上で示した通り非常に低い値になっている。仮に表面利回り50%として、5年生存率15%を用いて算出される期待利回りは、
50% × 15% = 7.5%
となる。銀行預金に預けるよりはいいかもしれないが、それほど魅力的とはいえないはずだ。
3.フランチャイズビジネスに対する投資
別の記事で紹介するが、フランチャイズビジネスの事業生存率は一般的な事業に比べると非常に高い。特に、この塾で紹介するフランチャイズビジネスは、5年生存率95%以上の非常にカタイ事業である。
では、事業生存率の高いフランチャイズビジネスに事業投資をした場合はどうなるだろうか。
仮に、下記の条件のフランチャイズビジネスがあるとする。
- 表面利回り:20%(これは、かなり堅めに見積もった数値である)
- 5年事業生存率:95%
これを基に算出される期待利回りは、
20% × 95% = 19.0%
となる。フランチャイズ化されていない事業に投資する場合に比べ、大きな期待利回りを得ることができるのだ。